リハビリの現場で主に接するのは、PT(理学療法士)、OT(作業療法士)、ST(作業療法士)と呼ばれる方々です。いずれも患者にはものすごく優しく接してくれます。また患者を否定することもありません。病院ではみんな優しく守られているという感じでした。
また、若い方が多いのです。なんとなくですが、男性には若い女性、女性には若い男性が担当している印象でした。リハビリ専門病院は、365日8:50〜17:00年中無休です。スタッフの方は交代で休んでいました。
PT、ST、OTは医師の指示で動きますが、それぞれの理論があります。担当する人によって知識やスキルが違います。ベテラン(30歳くらい)が若いスタッフに指導していました。またリハビリが終わった後で勉強会なども開かれていました。
患者によって症状、身体能力、年齢、体力や目的が違うので、ある意味正解がないようなものです。リハビリがスタートするに当たって自分が目指すことを聞かれました。
「いつまでにどうなりたいのか」
私の場合、「3カ月で、歩けて、タイピングができるまでになりたい」が答えでした。他の人も当然そうかと思っているとそうではないそうです。脳出血に関する知識が全くない中で色んな質問をしました。私の場合、利き手が麻痺していたので字が書けないのが不安でした。字が書けないとなると仕事を一人前にできないということです。他の人の体験談で書く練習をすれば書けるようになることを知り、自主練の仕方など聞きました。
当時、リハビリの待ち時間が1時間とか2時間空いた時はマス目のある原稿用紙をコピーしてもらって、新聞のコラム(天声人語)など書き写していました。初めは鉛筆で、次にボールペンで書きました。ボールペンは書きやすいなというのが感想です。あと、丸や波などリハビリ用の練習もしました。
歩きに比べて手指の回復が遅いと感じていたので、朝、起きたら自分の名前や住所の書く速度をタイムトライヤルやっていました。それを見て主任の看護師さんが「手指の回復は一番最後」と言っていました。作業療法のリハビリはプログラムが限られていてリハビリの方法を自分でも探したりしました。
病院としては、「日常生活」がある程度できるまで回復すればいいということが最低限の目標ということです。こうしたリハビリというシステムは比較的新しいシステムで、骨折した人なども患者にはいました。
とりとめのない話で、何が言いたいかというと自分でも研究する余地のある分野だということです。